アンリと京都

アンリの大好きな町、京都にお店を構えたのは2004年3月のこと。
今や日本食を好み、日本の文化にも深くなったアンリですが、 初めて訪れた京都にはとても驚いたといいます。
お寺、市場、町並み・・・ 自分が見てきた世界とまったく別の文化がそこにあったからです。

今では来日の度に足を運ぶ京都の町で アンリが必ず立ち寄るのが京の台所、‘錦市場’です。 400年もの歴史を刻む錦市場でアンリが見たもの。
それは、お店のうらで一生懸命に働く職人さんの姿でした。 竹細工や陶器を売るお店、お茶屋さん、刃物やさん、手仕事の文化が自分のお店でのことと同じでとても親近感が湧いたそうです。

お煎餅やさんの店頭

練りものやさんの作業場
熟練した手さばきであっという間に板にすり身をのせ、かまぼこの出来上がり。


音で状態を聞き分ける職人さんと美しい道具たち

くいしんぼうなアンリですから、もちろん食材のチェックもかかせません。 日本人の私たちでも目にすることが少ない京野菜に京漬物、 乾物やさんやお煎餅やさん、練りものやさん・・・ 390メートルにもわたる市場をくまなく見てまわります。
今では、お店のご主人と顔馴染み、 というお店まであるほどです。




アンリにとって特別な町、京都。 明治時代はメインストリートだった三条通りの中ほどに 町家つくりの45Rの2階にHENRY CUIR 京都店はあります。
京都のまちなかで、住みながらにして商売ができるように・・・と考えられた京町家。 建物の間口が狭く、奥行きが長いという「うなぎの寝床」のような形状であることが特徴にあげられます。 これは、江戸時代の税収方法が土地の面積ではなく、間口×軒の高さで決められていたためで、 町衆は節税のために間口や軒の寸法を小さくするようになったと言われています。

また奥行きが深いと、どうしても家屋の真ん中には昼間の光が入らず、風も通らないので、 家の真ん中に小さな庭を設け、光や風を取り入れるようになりました。 これが「坪庭」というもので、京町家の特徴のひとつです。 目で景色を楽しむために坪庭の植栽をしたり、石を置いたり・・・
そんな町家の特徴を十分に活かし、京都の町に馴染み、居心地の良い空間を感じて頂けたら・・・との思いを込めてこの建物はいちから建てられました。
1階は45R

大きな石と桧の柱の気持ち良い空間が広がります。

エントランスを抜け、まず目に入るのが「坪庭」です。 坪庭の石は、古い礎石(お寺などの各柱の下に設置し、 建物全体を支える石)に穴を掘り、「つくばい」として使っていた古いものです。 この建物の中心に据え、礎(いしずえ)の意味が込められています。

植木は南天。難を転ずることから京都では厄よけによく植えられています。 菊炭についている苔は京都の地苔です。

この階段を上がると HENRY CUIR です。

柱は桧、床は杉
一部の床にはチョンナにて「ナグリ」の加工も。

切り株は栗
樹齢約450年です。

漆喰を磨いて艶を出した壁。 フラットなものだと「大津磨き」といわれる漆喰の仕上げなのですが 京都店ではメッシュなどのテクスチャーをいれて今までにはなかった 独特の風合いに仕上がっています。

アンリもお出迎え


お店から臨む坪庭の光景・・・
その日の空模様、時間によって変化する光がとてもきれいです。
晴れの日はもちろん、雨どいをつたう雨の雫、わたのように舞う雪も、思わず息をのんでしまうような美しさです。

イタリアと京都。全く別の地に息づく新たな歴史。
アンリの大好きがたくさん詰まったお店です。 お近くへお越しの際は、是非お立ち寄り下さいませ。








