革職人となったHENRI BEGUELIN
1947年、スイスのローザンヌで生まれ育ったアンリは、20才を迎えた1967年に地元スイスのセリエA
プロサッカーチームLAUSANNE SPORT
(ローザンヌ スポルト)に所属し、F.W(フォワード)の
ポジションを得る。
その後、LOCARNO、BELLINZONAへと移籍。
常にレギュラーポジションを獲得していた。
彼の尊敬するプレーヤーは、フランス代表 ジダン。
「足」を「使うサッカーに夢中だった彼が、その2年後には「手」を使う革職人になるとは、誰も想像していなかったであろう。
1968年、当時ヒッピー全盛の中青年期を送ったアンリは、スイスのTESSINという町に
コミューンをつくりヒッピー仲間たちと一緒に暮らしていた。
右の写真は、『sieter』という雑誌にとり上げられた一部で、
タイトルは"EASYRIDER in TESSIN"
(テジンのイージーライダーたち)
ヒッピーは、アンリの成長に大きな影響を与えた。
「西欧人にとって、ヒッピーはインドの哲学であり、
精神だが、それがとても新鮮だった。精神的な自由、
その根本にあるのは"平和と愛"ということに共感した。」
このヒッピーの精神は、今もアンリの中で生きている。
1969年、南スイスでボストンバッグを直してもらおうと入った店での”馬具職人”との運命的な出会いから、アンリの革職人としての人生が始まる。
工房に残された弓なりになった革や四角い小さな革の切れ端を譲り受けて最初に作ったのがフリンジベルト。
「でき上がりを友人に見せたら、
自分にも作ってくれないかって...。」
これがアンリークイールの始まりだった。
1970年、イタリアトスカーナのエルバ島に移り住んだアンリは、そこで本格的に革職人として活動を始める。
彼は暮らしの中で彼が必要とする"日常"のものを
次々と作っていった。
バッグ、ベルト、財布、手帳。
そして、愛する人へ心のこもった愛溢れる贈り物も...。
母に捧げた手編みのバッグ"MARGUERITE"このバッグにつけられたマルガリータという名前。
フランス語で花のマーガレットという意味だが、
もう一つアンリにとって深い意味がある。
それは母の名前であるということ。
1970年頃、自らの手で革を裁ち、心を込めて編んだバッグを母へプレゼントした。
面落としも一本一本丁寧にされていて、母への深い愛情が伝わってくる。
1972年、海に面する広場の一角にショップと工房を兼ねた"アンリークイール"をスタートさせた。"クイール"とはフランス語で"革"の意味。
1985年より、ブランド名に自身の名前である
「HENRY BEGUELIN」を用いるが、次第に拡大していく
会社や、出会ったマネージメントパートナーとの、
ものづくりに対する哲学に相違を感じ、1997年にこの世界から退くことになる。
1998年、新ブランドを発足アンリは革職人として、ものづくりの原点に戻り、
再び 『アンリークイール』 をスタートさせた。
アンリの愛や夢が込められた魅力溢れる作品は、
これから先も、私達にたくさんの感動を与え続けてくれる。








